高血圧は自分の体からの大事なサイン
血管は平滑筋という筋肉によって構成されています。
筋肉ですから、年をとればだんだん硬くなっていきます。
そのため血液が流れるとき血管壁に強い圧がかかるようになり、血圧が高くなっていくというわけです。
降圧剤を飲むことはそのサインを無理矢理消すという行為で、本当はとても怖いことなのです。
血圧の薬を飲むことは、体が発しているサインを消してしまう以外にも危険があります。
なぜなら、血圧を下げる薬というのは、同時に、血流を悪くする薬でもあるからです。
血液の運搬量を減らしてしまえば、全身に十分な栄養が行きわたらなくなってしまいます。血圧の薬を飲んでいる人は、白内障や緑内障といった目の病気を発症することも多く、また脳への栄養も減ってしまうため、認知症を発症する可能性も高まるのです。
年齢とともにジワジワ上がってくる血圧
その原因は、加齢によって血管が硬くなっていることにあります。
その血管を柔らかくする方法として、シナモンの摂取と、酢納豆を朝晩食べるといいと言う話を前回しました。
今回は、血管の筋肉を鍛える降圧体操を紹介します。
「どうすれば血圧を下げられるのか?」その鍵は、血管を柔らかくすることにあります。そこでNO(一酸化窒素)という血管を柔らかくしてくれる物質にスポットを当ててみました。
【NO(エヌオー)のすごい作用】
・ 血管を柔らかくして血液がスムーズに流れるようにする。
・ 血小板が凝固しないようにし、血栓ができるのを防ぐ。
・ 傷ついた血管を修復したり、血管が厚くなるのを防いだりすることがわかってきました。
NO(エヌオー・一酸化窒素)という物質は、血管の「内皮細胞」という部分から分泌され、血管を柔らかくしなやかにする働きがあります。
このNOはどういうときに分泌されるかというと、血流が一気にアップして血管の内皮細胞が刺激されたとき。
NOはどういうときに分泌されるかというと、血流がアップして血管の内皮細胞が刺激されたとき。
降圧体操
降圧体操
そこで効果的なのが、一旦ギューッと筋肉に力を入れて血管を縮めておいてからパッと緩める、という方法です。
せき止められていた血液が一気に流れますから、血管の内皮細胞への刺激が強くなり、NOもたくさん分泌されるというわけです。
忙しい方でも筋力がない方でも、いつでも簡単にできます。
胸の前で手のひらを合わせ、ギューッと力いっぱい押し合うようにします。
10秒たったら一気に力を抜きましょう。
この体操は、心臓に近い大胸筋を刺激するので特におすすめです。
短時間でたくさんのNOを分泌して血管を柔らかくするという、非常に効率的な体操なのです。
1日1回が基本ですが、何回行っても構いません。椅子に座ってできるので、仕事の合間などにもおこなえますから、ぜひ試してみてください。
年齢とともに血圧が高くなるのはごく自然なことです。
なぜなら筋肉量が落ちて血管が硬くなっていくから。こういった、年齢とともにジワジワ上がっていく慢性的な高血圧は、NOの分泌量を増やすことで血管を柔らかくしてあげれば、大抵はすぐに下がります。わざわざ薬を飲む必要はありません。
「今は血圧が正常」という人も年齢を重ねるにつれ、徐々に血圧は高くなっていきます。運動でNOの分泌量を増やすことは、将来の高血圧予防のためにも不可欠なのです。
NOを効率よく分泌させる降圧体操をして、一生血圧の上がらない体を目指してください。