ぐっすり寝ていますか?
「ぐっすり眠れない」「スッキリ目覚めない」とお悩みの方はいませんか? 睡眠の質がよくないと、心身共にダメージを受ける可能性もあると言われるので、できる限り改善したいですよね。睡眠についての情報はたくさんあるものの何がウソで何がホントか、わからない。そんな方のために正しい睡眠をご紹介します。
睡眠は生きるための休息
•脳や筋肉の休息、傷の修復、成長、情報処理能力の回復のための生理的な現象
•「外部の刺激に対する反応性が低下した状態であり、容易に回復するもの」
良い睡眠がとれない状態が続くと色々な不具合が起こってきます・・・
どうして眠くなるのでしょう?
体内時計による眠気(生体時計機構)
夜だから眠くなる・・・
人間には、1日周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。
体内時計の働きで、人は夜になると自然な眠りに導かれます。※毎朝、光を浴びることでリセットされ、 メラトニン 一定のリズムを刻みます。
疲労による眠気(恒常性維持機構)
疲れたから眠くなる・・・
睡眠物質が溜まる→疲労!→睡眠中枢が検知!→ 眠 気
この2つの働きが状況によってお互いに関連しながら、
睡眠の質や量、タイミングを制御しています。
睡眠の質が悪くなると?
睡眠不足が続くと、身体の免疫システムのはたらきが弱くなってしまい、病原菌と戦うことも困難に。イライラや落ち込み、不安など、気分を変化させるトリガーにも。また睡眠の質が悪くなると、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や各種がんなどにかかりやすくなる上に、病気が進行しやすくもなると言われています。精神的にも記憶力や判断力、集中力などが低下し、気分が落ち込んでうつ病になるリスクも高まりやすく、早急に改善する必要があります。
覚醒と睡眠の切り替は?
私たちの脳が、目覚めて思考や行動している覚醒状態と眠って脳を休める睡眠状態を適切に使い分けることによって、生きて長く活動を続けることが可能です。
日中、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少し、夜、暗くなってくると分泌量が増える。メラトニンが脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が出来たと体が認識し、睡眠に向かわせる作用がある。また朝日を浴びて規則正しく生活することで、メラトニンの分泌する時間や量が調整され、人の持つ体内時計の機能、生体リズムが調整される。 そのため不規則な生活や昼間、太陽光を浴びないような生活を続けるとメラトニンがうまく分泌されず、不眠症などの睡眠障害の原因となる。歳を重ねる毎に分泌量がメラトニンの分泌量が減るため、眠る時間が短くなる傾向になる。
あなたの不眠タイプはどれですか?
不眠症を引き起こす原因
不眠といっても人によって症状はさまざま。不眠症のタイプは「大きく分けると次の4つです。
●入眠障害ー寝入りが悪く、例えば午後10時に床に就いても午前2時、3時まで寝つけないといったもので、通常30分以上を要するものを1つの目安とします。床について眠ろうとすればするほど眠れないのが特徴。
●熟眠障害ー睡眠時間は十分なのに、ぐっすり眠った感じが得られない、眠りが浅い状態です。
「睡眠時無呼吸症候群」等、睡眠中に症状の現れる病気が関係していることもあります。
中途覚醒ーいったん寝ついたあと、眠りが浅く、夜中にしばしば目がさめる症状で、一晩に2〜3回以上中途覚醒する場合をいいます。お年寄りの不眠や『神経性不眠』に多くみられます。
●早朝覚醒ー早朝から目がさめてしまい、それ以降眠れないもので、普段の目覚めより、おおむね2時間以上早く目がさめる時をいいます。うつ病によくみられる不眠のタイプです。
日本人に多いのは入眠障害で、約60%がこのタイプ。次に多いのが中途覚醒の約27%で、近年このタイプが増えています。高齢になり、夜中に何度もトイレに行くことも原因になっています。
環境要因ー時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など
身体要因ー年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど
心の要因ー悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど
生活習慣要因ーアルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など
●精神生理学的要因による不眠
不慣れな環境やストレスが原因で起こるショッキングな出来事や生活の不安が原因となる場合があります。また、他人の家や旅行先など慣れない睡眠環境のために起こる場合もあります。
●神経性不眠
この「神経性不眠」は、比較的神経質な人が必要以上に睡眠の変化を気にすることから始まる場合が多いといわれ、眠ろうと努力するあまり緊張し、いっそう眠りにくい状態をつくる傾向があります。しかし、睡眠中に脳波などを記録すると、本人の意識以上によく眠っているものです。このような時には、安易に睡眠剤を服用するのは好ましくありません。
●精神疾患にともなう不眠症
神経症や分裂病の急性期、躁うつ病などの際にみられる睡眠障害があります。特に、うつ病では、不眠は重要な症状の1つで、その初期症状としてしばしばみられることがあります。うつ病の睡眠障害は、睡眠時間が短く、眠りも浅く、しかも覚醒しやすい不安定な眠りになることが特徴です。
深い眠りは最初にやってくる
睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。そして一晩にノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返します。ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られるのが最初の1~2回。つまり寝入ってから約3時間の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達すれば、脳もカラダも休ませることができるため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができるのです。
成長ホルモンは細胞の修復や疲労回復に
寝入ってから2~3間後に分泌されるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは単に「成長」を促進させるだけでなく、「細胞の修復」や「疲労回復」に役立っています。
肌=皮膚や内臓の細胞を新しいものに入れ替える「ターンオーバー」は、成長ホルモンによって行われるのです。成長ホルモンを「若返りホルモン」ともいわれています。
(ターンオーバーとは、新しい細胞ができて、表皮の角質に成長し、それが一定の期間で剥がれ落ち、また新しい細胞ができてくるこのサイクルをターンオーバーと言います。)
深い睡眠がとれてないと?
明け方になると、成長ホルモンに代わってコルチゾールというホルモンの分泌が高まります。コルチゾールは、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、体が目覚める準備を始めるのです。睡眠の質がよくないと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなってしまいます。「睡眠が不足しているなぁ」と感じた
翌朝に、肌のコンディションがよくないと感じたことはありませんか。それは、成長ホルモンが十分に体にいきわたっていないからかもしれません。