排尿障害に悩まされている人は、骨盤底筋が硬い傾向にあります。
過活動膀胱を改善するには、骨盤底筋筋の筋肉や靱帯をゆるめて柔軟性を復活させることも不可欠です。
原因 骨盤底筋へのアプローチだけでは、膀胱の過敏性を十分に軽減することができません。
過活動膀胱を改善するためには、収縮しがちな膀胱をストレッチし、弛緩させることが肝心といえます。
膀胱の仕事は排尿筋を伸ばして、尿をためることです。
一定置の尿がたまったら、あとは自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する神経)の働きで、自然に膀胱が収縮して排尿されます。
膀胱は、年を取るとともに衰えて弛緩しにくくなるのが難点。
中高年を過ぎると、膀胱はしょっちゅう収縮するようになるため、トイレが近くなります。
いかに膀胱を弛緩させるかが、重要なポイントです。
骨盤底うるおい体操
骨盤底筋運動の欠点を克服した体操、骨盤底筋運動で不十分な部分を補った「膀胱ストレッチ」。
膀胱ストレッチは、骨盤底筋の柔軟性を高めながら鍛える『骨盤底うるおい体操』、膀胱をゆらして柔軟性を回復させる『膀胱ゆらし体操』から構成されています。
骨盤底筋うるおい体操は、横に寝転がった姿勢で片足を上げて3つの動きを行います。骨盤底は収縮が強いだけでなく、柔軟性も必要です。
これまでの骨盤底筋訓練では強化だけを強調していますが、 この体操では、強化と共に柔軟性も養われます。
また自分で実際に骨盤底の締まり、活性化を自覚できます。
3つのパターンから構成され、横になって10分ぐらいでできるので、誰にでもできます。
その3つの動きを片足だけ行ったあと、逆の足を始める前に一度立ち上がってみてください。
きっと、骨盤底に左右差を感じられることでしょう。このように骨盤底うるおい体操は、左右差を緩かめることで、毎回、鍛えられているのを実感しながら体操ができるのです。
また、骨盤底うるおい体操は、骨盤底筋をゆるめて締めるという動きをくり返します。
その結巣、強まるだけでなく柔軟性も高まります。
膀胱ゆらし体操
次に、膀胱ゆらし体操は、あおむけになって足を左右にゆらす体操です。
私たちの膀胱は、長年の姿勢のクセや筋肉の衰えなどによって左右にゆがみ、下がって圧迫されています。
その桔果、膀胱が正常な機能を損なって硬くなり、十分に弛緩する前に収縮してしまう過活動膀胱になると考えられます。
膀胱ゆらし体操は、膀胱をゆらすことで、膀胱が本来あるべ所位置に納まるように引き上げ、誘導してあげるのです。
こうすることで、硬くなった膀胱が柔軟性を取り戻し、しっかりと尿をためられるようになるのです。
このように膀胱ストレッチは、従来の骨盤底筋運動の欠点を寥傾した運動です。実際に頻尿や尿もれに悩む人に指導したところ、頻尿や尿もれが改善したという声がたくさん上がっています。
骨盤底さすり
骨盤底さすりとは、膀胱に近い会陰部{肛門と生殖器の間の部分}の皮膚をやさしくさする自カケア法です。
夜間頻尿改善する骨盤底さすりの効果は、ラット(ネズミ)や人聞を対象に行った試験で実証ざれています。
では、なぜ会陰部をさすると夜間頻尿が改善するのでしょうか。
それは、会陰部への皮膚刺激が排尿にかかわる神経に作用し、尿を出そうとする生理的な働きを抑え、尿意が治まるからです。
排尿に関係する神経の働きを説明しましよう。 排尿は、排尿筋(膀胱の筋肉)が弛緩し、尿道括約筋(尿道の筋肉)が収縮して膀胱に尿がたまる→排尿筋が収縮し、尿道括約筋が弛緩して膀胱から尿が出るという2つの働きをくり返すことで行われます。
排尿筋、尿道括約筋は、どちらも自分の意思では動かせません。
というのも、この2つの筋肉は、自律神経{意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する神経)によって無意識のうちにコントロールされているからです。
尿が膀胱にたまるときは、交感神経によって排尿筋は弛緩し、尿道括約筋は収縮します。
一方、尿を膀胱から出すときは副交感神経の働きで排尿筋が収縮、尿道括約筋は弛緩するのです。
もっとも、尿道括約筋はの一部は自分の意志では動かせ、水道の蛇口のような役割を担っています。ここを締めれぱ、多少の尿意を感じてもしばらく我慢できるのです。
しかし、尿の貯蔵タンクである膀胱では、自律神経の働きで問答無用に排尿が促されるため、尿意をガマンするにしても限界があります。
特に、夜眠っているときは、自分の意志で尿意を我慢するなどコントロールできないので、自律神経の働きの乱れは夜間頻尿に大きく彫響するのです。
脳からの排尿の命令を遮断する
そこで、薬物冶療では、抗コリン剤が用いられます。
この薬には、副交感神経から放出される神経伝達物質の『アセチルコリン』が排尿筋に伝わるのを遮断する作用があります。
その結果膀胱の遍剰な収縮が抑えられ、夜中の排尿回数を減らすことができるのです。
骨盤底さすり
骨盤底さすりには、抗コリン剤と同様に排尿を引き起こす神経伝達のしくみに作用して尿意を抑えます。排尿を引き起こす神経伝達には、膀胱に尿がたくさんたまったことを脳に知らせる伝達、脳から膀胱に排尿の命令を下す伝達があります。骨盤底さすりをやると、この2つの神経伝達を遮断できるのです。
薬を便うことなく神経伝達の働きをコントロールでき、夜間頻尿の改善につながる骨盤底さすりは、画期的な自力ケア法といえるでしょう。
骨盤底ローラー
東京都健康長寿医療センター研究所 堀田晴美先生により、骨盤底ローラー「ソマプレーン」を使って会陰部(生殖器と肛門の間)を皮膚刺激する「骨盤底さすり」で副交感神経の働きを抑制し、膀胱の異常な収縮が抑えられるしくみが解明されました。
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